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@ 胃壁固定
胃壁固定具を利用して,胃壁と腹壁を結紮固定します.筆者の場合,結紮は気腹を防止する目的で4箇所に行い,カテーテルの留置後はカテーテル貫通孔の血流障害を防止する目的で,2箇所を抜糸するようにします.
結紮の強さに関しては,検査直後に抜糸する2点に関しては,気腹を防止する目的で強く結紮しています.また,検査直後に抜糸しない方の結紮は,結紮部分の圧迫壊死を防止する目的で,比較的緩めに結紮するようにしています. |
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A ガイドニードルの挿入
胃壁固定を行った中心部をメスで皮膚切開を行います.筆者の場合,切開はPull/Push法ではI字切開で行っていますが,本法の場合,この後に30Frのダイレーターの挿入を行うことを考慮して十時切開で行っています.
十時切開は胃壁固定の4点固定で出来る四角の結紮糸の対角線になるように行い,切開により結紮糸が切断しないように配慮します.切開が完了した後にその中央部より,ガイドニードルを皮膚に垂直の角度で穿刺挿入します. |
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B ガイドワイヤーの挿入
ガイドニードルの内針を抜去し,ガイドワイヤーを胃内へ挿入します.造設用のガイドワイヤーは,交換用のものに比較して太径となりますので,挿入時の抵抗は強くなります.
そのため,筆者の場合はガイドニードルの先端を穹窿部方向に向け,挿入時の抵抗を軽減する様にしています.ガイドワイヤーを充分挿入した後に,ガイドニードルの外筒を抜去します.抜去後はガイドワイヤーが自然抜去しない様,注意を払います. |
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C ダイレーターで拡張
付属のダイレーターで貫通孔を拡張します.ダイレーターは20Frから30Frまで3本あり,細い方から順に拡張していきます.ダイレーターは胃後壁に接触しないよう,内視鏡で観察しながら慎重に行います.
筆者の場合,30Frのダイレーターの挿入後は即座に抜去せず,1分ほど挿入状態を保持し,貫通孔が充分拡張するように配慮しています.(挿入保持の間の時間で,下記DEを行うための準備をしています.) |
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D カテーテル挿入の準備
ガイドワイヤーにカテーテルバンパー部(=胃内ストッパー)に,バンパー挿入用補助具(胃内ストッパー変形用中空ロッド)を装着します.その後,上記Cで行ったダイレーターを外し,バンパーと挿入補助具との接合部分にガイドワイヤーを通します.
筆者の場合,気腹を最小限にするために,ダイレーター拡張が始まった後は,胃内への送気は極力減らし,特にDEの作業中は送気量は,視野が確保できる範囲での最小限にするように気をつけています. |
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E 胃内ストッパー変形操作
カテーテルチューブ部分の目盛6の位置が把持部の下部に来る程度に引き伸ばして,挿入用補助具の把持部の隙間に挟み込み,チューブを指で押さえます.この変形操作は,Dでの説明の如くガイドワイヤーを通過させてから行います.ガイドワイヤー挿入前に変形操作を行うと,中空ロッドの先端の孔と,胃内ストッパーの孔にズレが生じ,ガイドワイヤーが通り難くなるので注意しましょう. |
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F カテーテルの挿入
胃内ストッパーを伸張させた状態のカテーテルを,ガイドワイヤーに沿わせて胃内へ挿入して留置します.ガイドワイヤーを使用した手技に共通して言えることですが,挿入にあたっては,ガイドワイヤーをしっかり把持固定して動かない様にし,カテーテルおよびバンパー挿入補助具のみを先進させ,挿入するようにします. カテーテル挿入後は,経皮胃壁固定4点縫合のうち,強く縫合した2点を抜糸します.
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カテーテルと一緒にガイドワイヤーも押し進めると,ガイドワイヤーが屈曲する原因となりますので御注意下さい. |
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G カテーテルの設置
挿入用補助具およびガイドワイヤーを静に引き抜き,バンパーが胃前壁に軽く接触する程度に牽引して,体外ストッパーを腹壁側に移動します.体外ストッパーは皮膚より,1〜2cmはなした位置に設置し,皮膚に密着しないようにすることにより,瘻孔部の血流障害を防ぐようにします.
★ さらに詳細な情報については
(医療従事者限定) |
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